皆さんは「ねんねトレーニング」、通称「ねんトレ」をご存知ですか?赤ちゃんの寝かしつけをするための方法です。一般的には「赤ちゃんが一人で寝られるようにするトレーニング」だとされていますが、寝かしつけ、夜泣き対策、またママの睡眠不足の解消などにも効果的です。
ハフィントンポストの記事によると、ねんねトレーニングは、「効果と安全性が科学的に証明されている方法」だと言います。よく「うちはこうしたよ」とか「こうしたら絶対寝てくれるよ」なんて先輩ママからアドバイスをされますが、得てしてそのようなアドバイスの大半は、自分の子どもには使えなかったりします。
その子だけに効果のある、再現性がない方法は、ありがたいですが使えません。このコラムでは、トレーニング方法と実証されている再現性の高そうな方法をご紹介します。お子さんの寝かしつけで悩んでいた方は、ぜひ一読ください。
ねんねトレーニングの方法
先出のハフィントンポストなどによれば、ねんねトレーニングは以下の3つの手法が中心になります。
- 一度ベビーベッドで寝かせたら、朝まで放っておく
- 泣いたらあやすが、あやす時間を徐々に空けていく
- 泣いたらあやすが、徐々に子どもから離れる(部屋を出る)
「ねんねトレーニング」は、生後5~6ヶ月くらいから夜間の授乳があまり必要なくなったあたりからはじめるのがいいとされています。
具体的な方法ですが、
起きている赤ちゃんをベビーベッドに寝かせ、「おやすみなさい」と言っていったんママは部屋を出てください。もちろん最初は赤ちゃんはママがいなくなり不安で泣いてしまうと思います。しかし、そこは我慢。泣いてもすぐには中に入らずにちょっとだけ待ちましょう。
時間としてはほんの2~3分のことだと思いますがママにとっても赤ちゃんにとっても長い時間のように感じることでしょう。
それから赤ちゃんをあやしに行きます。注意点としては、赤ちゃんをすぐに抱き上げたりせず、背中をトントンしたり、優しくさすったりして赤ちゃんをなるべく寝かせたままの姿勢であやす方がねんねトレーニングにおいては効果があるといわれています。
赤ちゃんが眠りにつくまで、これを何度も繰り返します。
最初は赤ちゃんが泣くタイミング頻繁でも眠りにつくまでの時間もかかると思いますが、トレーニングを重ねていくうちに徐々に赤ちゃんもひとりで眠るようになってきます。
ねんねトレーニングの悪いイメージ
赤ちゃんの寝かしつけに苦労しているママにとっては、ねんねトレーニングはぜひ試してみたい手法ですよね。でも意外にも、ねんねトレーニングには悪いイメージもつきまといます。
ねんねトレーニングは、やはり欧米の習慣が関係しているかも知れません。というのも、赤ちゃんを一人で子供部屋で寝かせるなんてことは、日本の親はまずやらないからです。
赤ちゃんのそばで寝たい
日本は、家が狭いからという以前に、赤ちゃんは親のそば(特にママの隣)で寝るのが当たり前です。そのため、赤ちゃんを独りで部屋に置いて別々で寝るなんてありえないという人が大半ではないでしょうか。
確かにベビーベッドに寝かせたなら、寝返りもできないうちはベビーベッドから出たりする心配はまずありませんが、そんな小さな赤ちゃんを、ましてや泣いている赤ちゃんを置いて部屋を出ることに、かなりの心理的な壁があることも事実です。
諦めた?
ねんトレをすると赤ちゃんは確かに一人で寝られるようになるでしょう。実際、1日目はたくさん泣いてしまう赤ちゃんも、2〜3日もすればあまり泣かなくなることが多いようです。
しかしそれは、「泣いても誰もかまってくれない」ということを、赤ちゃんが悟ったからで、ある意味「諦めた」からだとも思えます。
成長への影響は
また、赤ちゃんと別々で寝ることは、子どもの成長にとってもマイナスの影響が大きいのではないかという専門家もいます。そのあたりのリスクも考慮して、どうしても必要ならねんねトレーニングに取り組んでみるのがいいのではないでしょうか。
ねんねトレーニングの目的
このハフィントンポストの記事を確認する限り、ねんねトレーニングは、「赤ちゃんを一人で寝かせること」が目的です。しかし、大半のママが悩んでいるのはそれとは微妙に違う気もします。
例えば、「寝かしつけが大変か?」という質問には、約8割のママが「YES」と答えます。それはそのとおりでしょう。
赤ちゃんはまだ睡眠サイクルが整っていません。そのため夜中に何度も目が覚めたり、夜泣きやぐずりを繰り返したり、朝早く起きてしまったりと、ママの睡眠サイクルを壊してしまいます。一時的なものなのですが、ママにとっては非常に負担の大きな時期です。寝かしつけにかかる時間は平均約40分というアンケート結果もあります。
しかも赤ちゃんの睡眠はとても個人差が大きいので、寝かしつけに毎日2時間かかるというママもいるほどです。また同じアンケートの別の質問で、「夜中に何回起きるか?」への答えは、平均約3回だという結果が出ています。
中には1歳を過ぎても毎晩3回以上起きて、泣いておっぱいを欲しがるという子だっています。赤ちゃんは大人に比べ眠りが浅く、また眠りの周期も短いのでこの時期は仕方ありません。こうなるとママは寝不足が続き、身体も疲れが抜けなくなってしまいます。そんなママにとって一筋の光が、ねんねトレーニングなのかも知れません。
また布団に寝かせる場合、コロコロと転がって布団から出てしまうこともありますよね。ベビーベッドを卒業して布団に寝かせるようにしたのに、寝相が悪すぎてまたベビーベッドに戻す方もいるんです。体を冷やしてしまったり、思わぬ怪我なども心配ですから、その点もベビーベッドなら安心です。
ねんねトレーニングの功罪
そんなねんねトレーニングですが、誰にでも当てはまるという方法ではありません。どんな方法にもメリットとデメリットが存在するように、このねんねトレーニングにもいくつかのデメリットが存在します。親としては、赤ちゃんを泣きっぱなしにしておくのは非常に辛いかも知れません。罪の意識を感じて、ねんねトレーニングを諦めた人もかなり多いと思います。
しかし、ねんねトレーニングは大人がぐっすり眠れるというメリット以上に、ぐっすり眠って元気なママに育ててもらう子どもの方のメリットも大きいのです。
さいごに
色々試しても、寝ない子は寝ないものです。そこには個人差がありますので、あまり神経質にならないようにしましょう。もし「寝かしつけとベビーベッドについて」相談があれば、ベビーベッドアドバイザーの在籍する当社までぜひお気軽にご連絡ください。
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参照
・ハフィントンポスト 2018年02月26日 記事 https://www.huffingtonpost.jp/mariko-morita/sleep-training_a_23370815/
・子どもがすぐにストン!と眠れる本 主婦の友社編集
・0〜3歳 寝かしつけまとめ 主婦の友社編集